エンベロープ(Envelope)とは、移動平均線から上下に一定に乖離させた指標です。

エンベロープは、価格が移動平均線からどれくらい離れているかを視覚化し、乖離の具合により売買の判断を行います。

この記事では、エンベロープをMT4やMT5へ表示させる方法とともに、エンベロープの基本的な使い方/見方についてご紹介しています。

MT4の画面でご紹介していますが、MT5でも操作方法はMT4と同じとなります。

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目次

エンベロープをMT4/MT5に表示する方法

エンベロープ(Envelope)をMT4/MT5のチャートに表示するには、MT4/MT5画面左枠のナビゲーターから「インディケータ」→「トレンド」→「Envelope」を選択し、適用させたいチャートにドラッグ・アンド・ドロップするだけです。

エンベロープ挿入画面

チャートにドラッグ・アンド・ドロップで適用させると、エンベロープ(Envelope)の設定画面が表示されます。

エンベロープのパラメーターで設定する項目は、「期間」「移動平均線の種別」「偏差」の3箇所です。

エンベロープ設定画面

  • 期間: 14(基本)

  • 移動平均線の種別: Simple(単純)、 Exponential(指数)

  • 偏差: 価格がエンベロープに接触するように調整

また、エンベロープの色が見づらいときなどは、「色の設定」タブからエンベロープの色も変更することが可能です。

エンベロープの期間について

エンベロープの期間は、移動平均線の期間と同じ意味です。一般的に14が用いられていますが、いつも自身が利用している短期間の数値に変更することもできます。

14を基準とし、14よりも小さい数値になると値動きに敏感に反応しますがダマシが多くなります。14よりも大きい数値にするとダマシが少なくなりますが、値動きに鈍感になります。

エンベロープの偏差について

エンベロープの偏差は、指定した期間の移動平均線からどのくらいの乖離率でエンベロープを表示させるかを設定する項目です。

通貨ペアやそのときの相場状況により、偏差の値が異なります。とりあえず偏差を入力し、価格がエンベロープに接触して反発や反落するタイミングの数値を最終的に設定します。

エンベロープ

上記のエンベロープは、「1時間足チャートで期間14、種別Exponential、偏差0.25%」の設定で表示しています。ちょうど価格がエンベロープの上下に接触する箇所の偏差が0.25%となりました。

以上の簡単な設定により、エンベロープをチャートに表示することができます。

エンベロープの偏差は常に固定で使用してしまうと、相場状況に臨機応変に対応できずリスクが高くなってしまいます。

そのときの相場の変動幅や値動きの方向性により偏差を変更することで、より売買タイミングが掴みやすくなります。

エンベロープをチャートから削除するには?

エンベロープを削除したいチャートの上で右クリック → 「表示中のインディケータ」をクリックします。

エンベロープ削除

表示中のインディケータ一覧が表示されるので、「Envelopes」を選択 → 削除ボタンをクリックすると削除完了です。

エンベロープ削除方法

チャートのエンベロープの上で右クリックをして「分析ツールを削除」をクリックしても削除できます。

エンベロープの使い方(見方)

エンベロープは、一定以上価格が乖離すると平均値に戻り、一定乖離内で価格が推移するという考えのもと取引をしていきます。エンベロープは、順張り取引にも逆張り取引にも利用することができます。

  1. ボックス相場においてエンベロープの上限と下限に価格が接触したら逆張り

  2. トレンド相場において中央値から上限や下限に向けて順張り

エンベロープの上限と下限に価格が接触したら逆張り

トレンドがない相場において、エンベロープの上限や下限に価格が接触したタイミングで、逆張りをすることで利益をあげやすくなります。

エンベロープ取引方法

上記チャート例では、1時間足チャートに期間14、偏差0.25%のエンベロープを表示させています。

青丸箇所はエンベロープ上限に価格が到達しているので売りサインとなり、赤丸箇所はエンベロープの下限に価格が到達しているので買いサインとなります。

ただし、価格がエンベロープを明確に抜けたら損切りをするルールを守らないと、トレンドが発生したときには損失が拡大してしまうので注意が必要です。

トレンド相場において中央値から上限や下限に向けて順張り

上昇トレンド/下落トレンドの相場において、エンベロープ中央値(移動平均線)でエントリーし、エンベロープの上限/下限で決済する順張り取引も可能です。

エンベロープ取引方法

上記チャート例では、4時間足チャートに期間14、偏差0.50%のエンベロープを表示させています。

移動平均線で下落トレンドを確認したあと、エンベロープの中央値(この例では14EMA)で売り注文を行い、エンベロープ下限で決済することで利益を上げることができます。

トレンドが転換し損失が拡大するリスクもあるので、エンベロープ上限で損切りをするなどのルールも必要です。

トレンド相場においてエンベロープの逆張りは、損失になるリスクが高くなります。逆張りは行わず順張りで取引した方が利益は狙いやすくなります。

エンベロープをMT4/MT5へ表示させる方法と使い方まとめ

  • 移動平均線から上下に一定に乖離させたのがエンベロープ

  • 期間は基本的に14を使用

  • 偏差は固定ではなく価格がエンベロープに接触するように常に変更する

  • ボックス相場においてエンベロープ上限/下限で逆張り

  • トレンド相場においてエンベロープ中央値で順張り

エンベロープは、移動平均線と価格の乖離状況を見る売買指標です。

移動平均線から一定以上価格が乖離すると平均値に戻り、移動平均線の一定乖離内で価格が推移するという考えのもと売買を判断していきます。

トレンドが転換するタイミングでは、損失になってしまうデメリットもありますが、他のインジケーターと組み合わせてチャートに表示させることでリスクも抑えることができます。

相場にうまくハマれば利益を狙えるエンベロープですが、偏差については相場に合わせてその度細かく調整しなくてはならない点だけ注意しましょう。

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