証拠金・必要証拠金・有効証拠金・証拠金維持率の違いと計算式

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FX には「証拠金」「必要証拠金」「有効証拠金」「余剰証拠金」「証拠金維持率」という似た名前の用語があり、MT4/MT5 のターミナル(MT5 はツールボックス)の「取引」タブにすべて表示されています。取引を続けるうえで最も重要なのは証拠金維持率で、XMTrading(以下 XM)では 20% を下回るとロスカットが執行されます。

5 つの関係は、口座に預けた「証拠金(残高)」に含み損益を加えたものが「有効証拠金」、保有中のポジションに必要な担保が「必要証拠金」、その差が新しい注文に使える「余剰証拠金」、有効証拠金を必要証拠金で割った比率が「証拠金維持率」です。必要証拠金だけは注文の前に自分で計算しておくと、想定より大きな取引量で証拠金維持率を下げてしまう事故を防げます。

本記事では、5 つの用語の意味と計算式、それぞれの計算例、ロスカットまでの値幅の計算の順に解説します。MT4/MT5 の画面の数字の意味を確かめたい方と、注文の前に必要証拠金を見積もりたい方を対象にしています。

目次

証拠金(残高)

証拠金は、取引の担保として業者に預けたお金で、MT4/MT5 の「残高」に表示されます。業者によって預託証拠金、保証金、担保金とも呼ばれます。

MT4 のターミナルの残高

残高は決済済みの損益と入出金を反映した金額で、保有中のポジションの含み損益は含みません。XM ではボーナスは「クレジット」として残高と別に表示され、証拠金としては残高と合わせて使えます。残高を担保にレバレッジをかけて取引するため、XM のスタンダード口座なら残高の最大 1,000 倍の金額を取引できます。

必要証拠金

必要証拠金は、そのポジションを持つために最低限必要な証拠金で、取引量に応じて決まります。証拠金が必要証拠金を下回っていると注文できません。

計算式は「約定レート × 取引量 × ロット数 ÷ 最大レバレッジ = 必要証拠金」です。

条件
銘柄と約定レートドル円 150.00 円
口座と取引量スタンダード口座で 1 ロット(100,000 通貨)
最大レバレッジ1,000 倍
必要証拠金150.00 円 × 100,000 通貨 × 1 ÷ 1,000 = 15,000 円

ドル円 150 円のときに 10 万通貨を注文すると必要証拠金は 15,000 円で、残高がこれを下回ると「証拠金不足です」と表示されて注文できません。毎回計算するのが手間なら、「ドル円 1 ロットで 1.5 万円前後」のように覚えておくと見積もりが速くなります。XM が用意している 必要証拠金の計算ツール を使う方法もあります。株価指数やエネルギーなどの CFD 銘柄は口座のレバレッジではなく証拠金率で計算します。計算の仕方は XM の CFD 銘柄の必要証拠金の計算方法 で解説しています。

有効証拠金

有効証拠金は、残高に保有中のポジションの評価損益(含み損益)を加減した金額で、今この瞬間に口座にある実質の資産です。MT4/MT5 に自動で表示されます。

MT4 のターミナルの有効証拠金

計算式は「残高 + 評価損益 = 有効証拠金」です。残高 10 万円で保有中のポジションに 1 万円の含み損があれば有効証拠金は 9 万円、上の画面のように残高 94,514 円で 28,677 円の含み益があれば 123,191 円です。XM ではクレジット(ボーナス)も有効証拠金に含まれます。価格が動くたびに変わり、証拠金維持率の計算の元になります。

余剰証拠金

余剰証拠金は、有効証拠金から保有中のポジションの必要証拠金の合計を引いた金額で、新しい注文に使える証拠金です。

MT4 のターミナルの余剰証拠金

計算式は「有効証拠金 − 必要証拠金の合計 = 余剰証拠金」です。有効証拠金 99,947 円で必要証拠金の合計が 445 円なら、余剰証拠金は 99,502 円です。新しいポジションの必要証拠金は余剰証拠金から差し引かれるため、余剰証拠金が足りないと追加の注文はできません。含み損が増えると有効証拠金と一緒に減っていきます。

証拠金維持率

証拠金維持率は、必要証拠金に対する有効証拠金の比率です。高いほど余裕があり、XM では 20% を下回るとロスカットが執行されて保有中のポジションが強制的に決済されます。

MT4 のターミナルの証拠金維持率

計算式は「有効証拠金 ÷ 必要証拠金の合計 × 100 = 証拠金維持率(%)」です。

条件
有効証拠金100,000 円
必要証拠金の合計15,000 円(ドル円 150 円で 1 ロット、1,000 倍)
証拠金維持率100,000 ÷ 15,000 × 100 = 約 667%

証拠金維持率 667% は、最大レバレッジ 1,000 倍の口座では実効レバレッジ 150 倍に相当します(1,000 ÷ 667 × 100)。証拠金維持率は価格の動きで常に変わり、1,000% 以上(実効レバレッジ 100 倍以下)を目安にすると 1 日の平均的な値動きに耐えられます。

注意

ロスカット水準の 20% は損失を限定する仕組みですが、急変時には 20% を大きく下回った価格で決済されることがあり、損失は実際に発生します。証拠金維持率が下がってきたら、追加のポジションを取らず、含み損のポジションを減らすか入金して維持率を戻します。実効レバレッジの考え方は レバレッジとは で解説しています。

ロスカットまでの値幅の計算

保有中のポジションがどの価格でロスカットになるかは、必要証拠金、ロスカット水準、有効証拠金、取引量から計算できます。

  1. ロスカット基準額 = 必要証拠金 × ロスカット水準 20%
  2. ロスカットされる値幅 = (有効証拠金 − ロスカット基準額)÷ 取引量
  3. ロスカットされる価格 = 約定レート ± ロスカットされる値幅(買いなら引く、売りなら足す)
条件
必要証拠金15,000 円(ドル円 150 円で 100,000 通貨、1,000 倍)
ロスカット基準額15,000 円 × 20% = 3,000 円
有効証拠金100,000 円
ロスカットされる値幅(100,000 − 3,000)÷ 100,000 通貨 = 0.97 円
ロスカットされる価格買いなら 149.03 円、売りなら 150.97 円

150.00 円で 10 万通貨を買った場合、149.03 円まで下がるとロスカットになります。値幅を先に計算しておくと、損切りの価格をロスカットより手前に置く判断がしやすくなります。損失を抑える取引の組み立ては FX 取引で損失を抑えるための基本 で解説しています。

5 つの用語の関係

5 つの用語は MT4/MT5 の「取引」タブに横に並んで表示され、自分で計算する必要はありません。関係を一覧で整理します。

用語意味計算式
証拠金(残高)業者に預けた担保入出金と決済済み損益の合計
必要証拠金ポジションを持つのに必要な最低額約定レート × 取引量 ÷ 最大レバレッジ
有効証拠金残高に含み損益を加えた実質の資産残高 + 評価損益(+ クレジット)
余剰証拠金新しい注文に使える証拠金有効証拠金 − 必要証拠金の合計
証拠金維持率必要証拠金に対する有効証拠金の比率有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100

スマートフォンの MT4/MT5 アプリでは、「トレード」タブの上部に同じ項目が表示されます。注文の前に必要証拠金だけは見積もり、注文後は証拠金維持率を見る、という使い分けが基本です。「証拠金不足です」と表示されたときの切り分けは MT4 で注文できない原因と解決方法 で解説しています。

よくある質問

証拠金維持率は何 % を目安にすればよいですか

1,000% 以上が目安です。最大レバレッジ 1,000 倍なら実効レバレッジ 100 倍に相当し、ドル円の 1 日の平均的な値動きに耐えられます。複数のポジションを持つと合計の必要証拠金が増えて維持率は下がります。

ボーナス(クレジット)は証拠金に含まれますか

XM では含まれます。有効証拠金に加算され、必要証拠金の担保として使えます。ただしボーナスは出金できず、出金や資金振替で比率に応じて消えます。

「証拠金不足です」と表示されて注文できません

余剰証拠金が新しい注文の必要証拠金に足りない状態です。取引量を減らすか、入金してから注文します。

まとめ

  • 証拠金(残高)は預けた担保、必要証拠金はポジションに必要な最低額、有効証拠金は残高に含み損益を加えた実質の資産
  • 余剰証拠金は新しい注文に使える額で、証拠金維持率は有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
  • 必要証拠金は約定レート × 取引量 ÷ 最大レバレッジで、ドル円 150 円の 1 ロットなら 1,000 倍で 15,000 円
  • XM のロスカット水準は 20% で、証拠金維持率 1,000% 以上を目安に取引量を決める
  • ロスカットまでの値幅は(有効証拠金 − 必要証拠金 × 20%)÷ 取引量で計算できる

注文の前に必要証拠金を見積もり、注文後はターミナルの証拠金維持率を見る習慣をつけてみましょう。

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