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パソコン版 MT4 のトレーリングストップは、保有中のポジションを右クリックして値幅を選ぶだけで設定でき、価格が有利な方向へ動くたびに損切りの位置が指定した値幅を保って自動で動きます。利益が出ている間は損切りの位置を引き上げ、相場が反転したときに利益の一部を残して決済するための機能です。
トレーリングストップは新規注文と同時には設定できず、すでに保有しているポジションにだけ使えます。値幅の単位はポイントで、pips とは桁が 1 つ違います。損切りの位置を動かす処理はサーバーではなくパソコンの MT4 が行うため、MT4 を閉じると追従が止まる点も押さえておく必要があります。
本記事では、トレーリングストップの仕組み、ポジションに設定する手順、値幅の単位、MT4 を閉じたときの扱い、設定の変更と解除、MT5 での設定との違いを順に解説します。パソコン版 MT4 で取引を始めたばかりの方や、損切りの位置を手で動かす手間を減らしたい方を対象にしています。読み終えるころには、自分のポジションに合った値幅を選んで設定し、不要になったら解除するところまで MT4 だけで操作できるようになります。
トレーリングストップの仕組み
トレーリングストップは、価格が有利な方向へ動いたときだけ損切りの位置を追従させ、不利な方向へ動いたときは損切りの位置を動かさない注文の機能です。利益が伸びる間は損切りの位置も上がり続け、反転すると最後に動いた位置で決済されます。
買いのポジションと売りのポジションでは、損切りの位置が動く向きが逆になります。
| ポジション | 価格が有利に動いたとき | 価格が不利に動いたとき |
|---|---|---|
| 買い | 価格の上昇に合わせて損切りの位置を引き上げる | 損切りの位置はそのまま |
| 売り | 価格の下落に合わせて損切りの位置を引き下げる | 損切りの位置はそのまま |
たとえば米ドル円を 150.000 円で買い、値幅を 300 ポイント(30 pips)に設定した場合、価格が 150.500 円まで上がると損切りの位置は 150.200 円まで引き上げられます。その後に価格が下がっても損切りの位置は 150.200 円のままで、価格が 150.200 円に届いた時点で決済されます。
ポジションに設定する手順
設定は、ターミナルの「取引」タブに表示されている保有中のポジションに対して行います。注文の画面には項目がないため、先にポジションを持ってから設定します。
- MT4 の画面下にあるターミナルの「取引」タブを開き、保有中のポジションを表示します
- トレーリングストップを付けたいポジションの行を右クリックします
- 表示されたメニューで「トレイリング・ストップ」にマウスのカーソルを合わせます
- 一覧に並んだ値幅から、使いたい値幅を選んでクリックします
- ポジションの行の左側のアイコンが「T」の付いたマークに変わったことを確かめます
アイコンが変わっていれば設定は完了です。複数のポジションを持っているときは、ポジションごとに同じ操作を繰り返します。1 つのポジションに設定しても、ほかのポジションには反映されません。
幅を指定する単位(ポイント)
トレーリングストップの値幅は、pips ではなくポイントで表示されます。値幅を選ぶ前に、ポイントと pips の換算を確かめておくと、思っていたより狭い値幅を選ぶ失敗を防げます。
価格が小数点以下 3 桁(円が絡む通貨ペア)や 5 桁(ドルストレートなど)で表示される口座では、1 pips が 10 ポイントにあたります。
| ポイントでの値幅 | pips に直した値幅 | 米ドル円での値動き |
|---|---|---|
| 150 ポイント | 15 pips | 0.15 円 |
| 200 ポイント | 20 pips | 0.20 円 |
| 300 ポイント | 30 pips | 0.30 円 |
| 500 ポイント | 50 pips | 0.50 円 |
値幅を狭くすると利益を早めに残せる一方で、細かい上下の動きでもすぐに損切りの位置に届きます。値幅を広くすると多少の押し戻しでは決済されにくくなりますが、反転したときに手元に残る利益は少なくなります。横ばいで細かく上下する相場では、狭い値幅だと利益が伸びる前に決済されやすい点に注意が必要です。
MT4 を閉じると動かなくなる点
トレーリングストップは、損切りの位置を動かす処理を FX 業者のサーバーではなくパソコンの MT4 が行います。MT4 が起動していない間は、価格が有利に動いても損切りの位置は追従しません。
MT4 を終了したときのほか、パソコンをスリープにしたときや、通信が切れて MT4 がサーバーとつながっていないときも、損切りの位置は動きません。スマートフォンの MT4 アプリにはトレーリングストップの機能がないため、外出中に追従させたい場合は、パソコン版 MT4 を起動したままにしておく必要があります。
- パソコン版 MT4 を起動し、口座にログインしたままにしておく
- パソコンのスリープや自動の電源オフを、取引中は使わない設定にしておく
- MT4 を閉じる前に、ターミナルで現在の損切りの位置を確かめておく
MT4 を閉じたまま相場が大きく動くと、トレーリングストップが追従していれば決済されていたはずの価格を通り過ぎてしまうことがあります。長時間パソコンから離れるときは、損切りの位置を手で入れ直すか、ポジションを決済しておくのが安全です。
設定の変更と解除
設定した値幅は、ポジションを持ったまま何度でも変えられます。変更と解除はどちらも、設定と同じ右クリックのメニューから行います。
値幅を変える
ターミナルの「取引」タブで値幅を変えたいポジションを右クリックし、「トレイリング・ストップ」から新しい値幅を選びます。古い値幅は新しい値幅に置き換わり、設定をやり直す必要はありません。相場の値動きが大きくなってきたときに値幅を広げる、利益が十分に乗ったときに値幅を狭めるといった調整ができます。
設定を解除する
ポジションを右クリックし、「トレイリング・ストップ」から「すべて削除」を選ぶと解除されます。解除したあとはポジションの行の左側のアイコンから「T」の印が消えるので、印の有無で解除できたかを確かめます。解除してもポジションはそのまま残り、決済はされません。
MT5 での設定との違い
MT5 にも同じトレーリングストップの機能があり、ポジションを右クリックして値幅を選ぶ流れは MT4 と変わりません。使い分けで迷いやすいのは、メニューの表記と解除の項目です。
| 項目 | MT4 | MT5 |
|---|---|---|
| メニューの表記 | トレイリング・ストップ | トレーリング・ストップ |
| 設定する場所 | 保有中のポジションを右クリック | 保有中のポジションを右クリック |
| 設定後の表示 | 行の左側に「T」の印 | 行の左側に「T」の印 |
| 解除の項目 | すべて削除 | すべて削除、または無し |
| 処理する場所 | パソコンの MT4 | パソコンの MT5 |
MT5 でも損切りの位置を動かす処理はパソコン側で行われるため、MT5 を閉じると追従は止まります。スマートフォンの MT5 アプリでもトレーリングストップは使えません。MT4 と MT5 を両方使っている場合は、取引中のポジションがどちらの取引ツールにあるかを確かめてから、同じ手順で設定します。
よくある質問
- 新規注文と同時にトレーリングストップを設定できますか
-
設定できません。トレーリングストップは保有中のポジションにだけ設定できるため、注文が約定したあとにターミナルの「取引」タブでポジションを右クリックして設定します。
- スマートフォンの MT4 アプリでも使えますか
-
使えません。トレーリングストップはパソコン版 MT4 と MT5 の機能です。スマートフォンのアプリでは、損切りの位置を自分で入力して変更します。
- 設定したのに損切りの位置が動きません
-
価格が有利な方向へ動いていないか、MT4 が起動していないか、サーバーとの接続が切れている可能性があります。ポジションの行に「T」の印があることと、MT4 の右下の接続の表示を確かめます。
まとめ
- トレーリングストップは、価格が有利に動いたときだけ損切りの位置を指定した値幅で追従させる機能です
- 保有中のポジションを右クリックし、「トレイリング・ストップ」から値幅を選ぶと設定でき、行に「T」の印が付きます
- 値幅の単位はポイントで、小数点以下 3 桁や 5 桁の口座では 10 ポイントが 1 pips にあたります
- 処理はパソコンの MT4 が行うため、MT4 を閉じたりスリープにしたりすると追従が止まります
- 値幅の変更は同じメニューから選び直し、解除は「すべて削除」で行います
- MT5 も手順は同じで、メニューの表記と解除の項目だけが少し違います
はじめはデモ口座で値幅ごとの損切りの位置の動き方を確かめてから、実際の取引で使ってみましょう。

