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FX 業者が顧客の注文を処理する方式は、業者自身が注文の相手方になる DD(ディーリング・デスク)方式と、注文を市場に取り次ぐ NDD(ノー・ディーリング・デスク)方式の 2 つに分かれます。国内の FX 業者の多くは DD 方式、海外の FX 業者の多くは NDD 方式です。
違いは、業者がどこから収益を得るかに表れます。DD 方式は顧客の注文の一部または全部を業者が引き受けるため、顧客の損益と業者の損益が反対になる場面があり、そのぶんスプレッドを狭くできます。NDD 方式は注文を取り次ぐだけで、収益はスプレッドか取引手数料に限られるため、顧客の取引量が増えるほど業者の収益も増える関係になります。
本記事では、DD 方式の仕組み、NDD 方式の仕組み、NDD 方式の中の STP と ECN の違い、XMTrading(以下 XM)の口座タイプとの対応、方式ごとの向き不向きの順に整理します。どちらが優れているかではなく、仕組みの違いを知ったうえで口座を選ぶための解説です。
DD 方式の仕組み
DD 方式は相対取引(OTC)とも呼ばれ、顧客の注文を市場に流さず、業者が直接相手方になって成立させます。国内の FX 業者の多くが採用しています。

- 顧客が業者に注文を出す
- 業者は注文を市場に出さず、自社で引き受ける(呑む)か、顧客同士の注文を相殺する
- 業者はリスクを抑えるため、注文の一部をカバー先(銀行や証券会社)に反対売買する(カバー取引)
- カバー取引をした分だけ市場で取引される
業者が引き受けた注文は、顧客が損をすると業者の利益、顧客が利益を出すと業者の損失になります。カバー取引をどの程度行うかは業者の判断で、金融庁が 2015 年に公表した 金融モニタリングレポート では、ドル円のスプレッドが狭い国内業者ほどカバー率が低い傾向が示されています。
DD 方式では、注文を市場に出さないため取引のコストがほとんどかからず、スプレッドを狭く設定できます。スワップポイントも業者が独自に設定できます。一方で、業者が顧客の注文と損益をすべて把握したうえで価格を提示する構造のため、約定の拒否や遅延、意図的な価格の操作が起きうる、という指摘があります。実際に行われているかどうかを顧客の側から確かめることは難しく、方式の構造上の懸念として知っておく点です。
NDD 方式の仕組み
NDD 方式は、顧客の注文を業者が引き受けず、そのまま市場(インターバンク市場)に取り次ぐ方式です。海外の FX 業者の多くが採用しています。

- 顧客が業者に注文を出す
- 業者は注文を取り次ぐだけで、市場の参加者(流動性プロバイダー)との間で成立させる
- 業者の収益はスプレッドへの上乗せ(STP)か取引手数料(ECN)
業者は顧客の損益の相手方にならないため、顧客が長く取引を続けて取引量が増えるほど業者の収益も増えます。市場の価格をもとに約定するため、業者が価格を操作する余地は構造上小さくなります。そのかわり、市場のスプレッドに業者の取り分が上乗せされるため、DD 方式の国内業者ほどスプレッドは狭くなりません。
| 項目 | DD 方式 | NDD 方式 |
|---|---|---|
| 注文の行き先 | 業者が引き受ける(一部はカバー取引) | 市場に取り次ぐ |
| 業者の収益 | 顧客の損失分とスプレッド | スプレッドの上乗せか取引手数料 |
| 顧客の損益との関係 | 反対になる場面がある | 取引量が増えるほど業者も収益が増える |
| スプレッド | 狭くしやすい | 市場のスプレッドに上乗せされる |
| 約定 | 業者の判断が入りうる | 市場の価格で自動的に成立 |
| 主な採用 | 国内の FX 業者 | 海外の FX 業者 |
STP と ECN の違い
NDD 方式は、注文の成立のさせ方で STP と ECN の 2 つに分かれます。XM ではスタンダード・マイクロ・KIWAMI極口座が STP、Zero 口座が ECN に当たります。
STP(Straight Through Processing)
複数の流動性プロバイダーが提示する価格の中から最も有利な価格を自動で選び、業者のスプレッドを上乗せして約定させる方式です。取引手数料はかからず、スプレッドが業者の収益になります。

ECN(Electronic Communications Network)
電子取引所に参加者が売りと買いの注文を出し合い、価格が合ったところで成立させる方式です。業者はスプレッドに上乗せせず、取引量に応じた取引手数料で収益を得ます。スプレッドは狭くなる代わりに、手数料が別にかかります。

| 項目 | DD(国内業者) | STP(NDD) | ECN(NDD) |
|---|---|---|---|
| XM の口座 | 該当なし | スタンダード・マイクロ・KIWAMI極 | Zero |
| スプレッド | 狭い | 標準的 | 狭い |
| 取引手数料 | 無料 | 無料 | 1 ロットごとに手数料 |
| スワップポイント | 業者が独自に設定 | 市場の水準 | 市場の水準 |
| 約定の拒否 | 業者の判断がありうる | 原則なし | 原則なし |
| 板情報 | なし | なし | 取引ツールによっては見られる(MT4/MT5 では不可) |
ECN 口座の実質のコストは「スプレッド + 手数料」です。流動性の低い通貨ペアではスプレッドが広がるため、銘柄によっては STP 口座より高くつくことがあります。XM の Zero 口座は最大レバレッジが 500 倍で、ボーナスの対象外です。口座タイプごとの違いは XM の口座タイプの比較 で解説しています。
方式ごとの向き不向き
どの方式が優れているかは取引のスタイルで変わります。仕組みの違いから、向いている使い方を整理します。
| 方式 | 向いている使い方 | 留意点 |
|---|---|---|
| DD(国内業者) | スプレッドの狭さを優先するスキャルピング、スワップポイントを狙う長期保有 | 業者が注文の相手方になる構造。最大レバレッジは 25 倍 |
| STP(海外業者の標準口座) | 手数料を気にせず取引したい、少ない資金で大きな取引量を持ちたい | スプレッドは国内業者より広い。スワップは市場水準 |
| ECN(海外業者の ECN 口座) | 主要通貨ペアのスキャルピングで、スプレッドの狭さを最優先する | 手数料が別にかかり、銘柄によっては総コストが高い。ボーナス対象外 |
海外業者の STP 口座は、XM ではスタンダード口座に当たり、最大レバレッジ 1,000 倍とボーナスの対象になります。少ない資金から始めて取引の幅を広げたい方の入口として選ばれることが多い口座です。ECN 口座は、コストの計算ができる経験者向けです。
方式の違いは業者の収益構造の違いで、取引の結果を左右するのは相場と自分の判断です。NDD 方式でも損失は実際に発生し、レバレッジが高いほど損益の変動は大きくなります。ゼロカット(マイナス残高のリセット)の扱いは業者の約款と裁量に依存するため、方式だけを理由に取引量を増やすのではなく、証拠金維持率に余裕を持たせるのが基本です。
XM のマイナス残高のリセットと口座残高がマイナスになる場面は FX で口座残高がマイナスになる理由、レバレッジの考え方は レバレッジとは で解説しています。口座開設の流れは XM の口座開設方法 にまとめています。
よくある質問
- NDD 方式なら約定の拒否は起きませんか
-
市場の価格で自動的に成立するため、業者の判断による拒否は原則ありません。ただし、経済指標の発表時など価格が飛ぶ場面では、注文した価格と約定した価格の差(スリッページ)が出ます。約定の速さは業者のシステムによって違います。
- DD 方式の業者は必ず不利ですか
-
必ずしもそうではありません。スプレッドの狭さとスワップポイントの大きさは DD 方式の利点で、短期の取引ではコストの差が積み重なります。業者が注文の相手方になる構造を理解したうえで、コストと約定の安定のどちらを優先するかで選びます。
- XM のスタンダード口座はどの方式ですか
-
NDD 方式の STP です。マイクロ口座と KIWAMI極口座も STP で、Zero 口座だけが ECN です。取引手数料がかかるのは Zero 口座だけです。
まとめ
- DD 方式は業者が注文の相手方になる方式で、スプレッドを狭くできる反面、顧客の損益と業者の損益が反対になる場面がある
- NDD 方式は注文を市場に取り次ぐ方式で、業者の収益はスプレッドの上乗せ(STP)か取引手数料(ECN)
- XM はスタンダード・マイクロ・KIWAMI極が STP、Zero が ECN
- ECN の実質コストは「スプレッド + 手数料」で、主要通貨ペア以外では STP より高くなることがある
- 方式の違いは収益構造の違いで、損失の有無は相場と取引量で決まる
自分の取引スタイルでコストと約定の安定のどちらを優先するかを決めてから、方式と口座タイプを選んでみましょう。
